CSR活動

トップコミットメント

「変革」を通じた新たな価値創造で、TDKらしい未来を切り拓いていきます。

融合による「コトづくり」への挑戦

現状認識に基づいた今後目指す姿

創業から80年余、TDKはフェライトを中心とする素材技術を強みに発展してきました。磁性材料の特性を活かした製品を、素材とプロセスの開発から手がける一貫生産がそのベースとなりますが、この強みをさらに活かす上で、経営を取り巻く環境をしっかりと捉えることは重要です。たとえば、IoT(モノのインターネット化)の浸透や、人工知能が注目を集めるなど、特にテクノロジー分野での変化の速さには目を見張るものがあります。
TDKグループもまた、今までの延長線上ではない変革を遂げていかなければなりません。「よい製品をつくり、それをお客様(社会)に提供する」のが従来のビジネスでした。それに加え、今日では「市場ニーズや社会課題に、自社の素材や技術を用いていかに応えていくか」という視点が不可欠になってきていると感じます。
つまり、私たちに寄せられる期待は、「モノづくり」から「コトづくり」へと変化してきているともいえます。単に部品単体を提供することに加えて、製品や技術を組み合わせ、複合化、モジュール化を進めることで「ソリューション」を提供する。これは、部品メーカーとして歩んできたTDKにとって大きな挑戦といえるでしょう。
昨今のオープンイノベーションの潮流を踏まえ、当社も自社が持つ技術やノウハウを最大限に活用しながら、自社が持たないものをいかに外部から取り入れ、融合を図っていくかが戦略の一つの柱です。
2016年度には、積極的なM&Aによりポートフォリオの拡大を進めてきました。磁性という揺るがないコア技術と、M&Aで得たリソースを組み合わせ、グローバル市場で付加価値の高い製品・サービスを生み出していきます。

さらなる成長に向け、市場ニーズに即応する

成長戦略と収益体質変革の方向性

2016年度に社長に就任し、私は2つの大きな使命を負っていると認識しています。1つ目は成長戦略を確実に推進すること、2つ目は収益力の向上を図ることです。成長戦略の観点から、戦略成長製品「センサ・アクチュエータ」「エネルギーユニット」「次世代電子部品」における事業展開で、将来に向けた道筋を示してきました。とりわけセンサは、普及が進むIoTに欠かせないデバイスで、2016年度に相次ぎ買収したセンサメーカーとのシナジーを発揮し、お客様に幅広いセンサソリューションを提供していきます。事業を通じた社会への貢献を考えたとき、IoTには大きな可能性があり、人と社会が抱える課題をさまざまな製品・技術をつなぐことで解決する、まさに「コトづくり」の核といえます。
たとえば、ウェアラブル機器である活動量計は典型的なIoTデバイスです。生体センサにより、体温・脈拍・歩数などを自動的に測定し、スマートフォンなどで管理できるようにする。そこから得た情報を、病院でのよりよい医療サービスに活かす、その人に最適な保険のカスタマイズを可能にする、こうした展開が現実味を帯びてきます。社会にある課題・ニーズを顕在化させ、その解決に向けて多様なリソースを組み合わせた提案が求められるのです。従来のICT(情報通信技術)中心の市場のみならず、自動車市場や産業機器・エネルギー市場、新たなヘルスケア市場などで、今までの枠組みにとらわれない拡大を目指します。一方、収益力の向上に向けては、日本発の企業らしい高品質のモノづくりが極めて重要です。これまでにも推進してきた、「インダストリ4.0」の考え方とTDK 独自の「ゼロディフェクト品質」の追求を合わせたモノづくり改革を加速させていきます。2016年度には、秋田地区の本荘工場と稲倉工場にそれぞれ新棟を建設し、モノづくり改革を世界に展開するためのマザー拠点を完成させました。現場では「あるべき姿のモノづくり活動」の名のもと、一つひとつの製品を最高の品質と生産性でつくるためにどうあるべきかを現場レベルで徹底的に検証しています。従来のように出来上がったものを検査するのではなく、生産プロセスの過程にある製品を継続的にモニタリングし、完成時の欠陥を限りなくゼロに近づけることは、資源の無駄の最小化にもつながります。また、各プロセスから吸い上げた膨大なデータを解析することで、納品後の不具合につながり得る原因を取り除き、「出荷後品質」を向上させることもできるのです。また、生産のリードタイムの分析では、品質評価や装置の空きなど多くの待ち時間があることがわかり、こうした非付加価値時間を自動化などで削減していくだけでも、生産性を格段に高められます。
さらに、First to Marketを意識し、市場ニーズを先取りした開発で、必要な製品を一番に市場に届けていくことも重視します。研究開発では、すでに世界4極での開発体制をスタートさせており、お客様はいつそれを欲しいのかという視点から計画のサイクルを見直し、設計~評価~商品提案のサイクルタイムをどんどん早めていきたいと思います。

多様性のダイナミズムをグループの原動力に

新たな組織づくりに向けた従業員へのメッセージ

いま、私たちはあらためて真のグローバル化への意識を高めなければなりません。M&Aなどによりグループが拡大するにつれ、異なる文化や風土を持ったさまざまな企業がTDKグループの一員となっています。そうした中、グループが一つの目標に向かってベクトルを合わせて行けるようにガバナンスやマネジメントの課題にも取り組んでいます。TDKは、買収した企業のダイナミズムを取り入れ成長してきた企業です。TDKのカラーに染めるのではなく、その企業の持つ強みを活かし、事業でも積極的にリードをしてもらうことで新たな領域を切り拓いてきました。この姿勢は今後も変わるものではありません。また、多様性のダイナミズムをグループ全体で的確に機能させ、新たな強みに変えていくことも重要なポイントです。TDKグループの一員になってよかったと思われるような仕組みづくりに向けて不断の努力を重ねていきます。さらに、人材の一層の多様化推進も不可欠です。すでに経営層の多様化はかなり進んできており、現在では日本人以外の執行役員も複数名登用しています。世界視点で物事を考えるときに、日本人だけで集まって話しても本質を捉えた議論はできません。多様なバックグラウンドを持つ世界の従業員が、能力を活かしつつ適材適所で働けるよう環境を整えていきます。TDKグループには「夢・勇気・信頼」という社訓があります。私自身、経営者として大きな判断が必要なとき、いつも頭に浮かんでくるのがこの言葉です。「そこには夢があるか」、「勇気ある決断が必要か」、「ステークホルダーの信頼を得られるか」と自問自答するのです。この端的でかつ明確な社訓は、グローバルで共有できるものであり、従業員にも進むべき道に迷ったときにはここに立ち戻り、よりどころとしてほしいと願います。理念の共有を通して、グループが一丸となり「創造によって文化、産業に貢献する」をともに実現していきたいと思います。

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